アルコール製剤について

アルコールには、食品添加物のアルコール製剤と医薬部外品の手指消毒剤があることはご存じでしょうか?今回はそれぞれの違いや特徴、取り扱いについてご紹介します。

食品添加物製剤
(例:アルペットNVなど)

◆食品に直接 使用可能
◆調理器具等の衛生管理に
◆食品の品質保持に用いられることもあり

手指消毒剤
(例:ウイル・ステラVHなど)

◆手指の消毒に使用
◆食品には使用不可

食品添加物アルコール製剤とは

食品添加物アルコール製剤は食品衛生法で定められている食品添加物製剤です。
エタノールを主成分とした食品の静菌・日持ち向上、食品加工機械・調理器具、手指等の除菌目的で、多くの食品取扱い現場で使用されています。食品については、食材への練り込み、漬け込みや噴霧する方法で使用されます。

手指消毒剤について

手指消毒剤を購入する際は、医薬品、医薬部外品、アルコール濃度60%(体積%)以上のものを選びましょう。
「消毒」とは、菌やウイルスを無毒化することです。「薬機法」に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品に記されています。手指など人体に使用する場合は、品質・有効性・人体への安全性が確認された「医薬品・医薬部外品」を使用してください。

アルコール製剤の分類


液性(pH)による分類

弱酸性タイプ

  • 殺菌力が高く低濃度でも効果あり
  • 金属に与える影響が大きい

 (例)アルペットNVなど

弱酸性タイプ

中性タイプ

  • 食品や金属などに与える影響が低く広い範囲で使用可能

 (例)アルペットHN、LNなど

中性タイプ

アルコール濃度による分類

第四類危険物(アルコール類)

  • アルコール60w/w%以上
  • 表記は「火気厳禁
  • アルコール60w/w%以上

 (例)アルペットHNなど


火気厳禁

非危険物

  • アルコール60w/w%未満
  • 表記は「火気注意
  • アルコール濃度が低いため、製剤の乾燥速度が若干遅い傾向あり

 (例)アルペットNV、LNなど

火気注意

消防法における規制について

危険物に該当するアルコール類とは?

感染対策や食中毒予防のため、消毒や除菌に用いられるアルコール製剤は、アルコールの一種であるエタノールを主成分としています。
アルコールの濃度が60w/w%以上の製品は消防法でさだめられている危険物の引火性液体の性質を有する「第四類アルコール類」に該当します。
危険物に該当する製品には、容器に危険物である旨の表示が義務付けられていますので、使用にあたっては表示を確認しましょう。

【 表示例 】

表示例

1.危険物の品名:第四類アルコール類
2.危険等級:危険等級II
3.化学名:エタノール
4.水溶性(第四類のうち、水溶性の危険物の場合のみ表示されています。)
5.危険物の数量:500mL
6.危険物の種別に応じた注意事項:火気厳禁

危険物の貯蔵についての規制

危険物はそれぞれの危険度に応じて、消防法により貯蔵や取り扱いを規制する量(「指定数量」)が定められています。数量に応じて消防法または市町村等の火災予防条例により申請・届出が必要となり、貯蔵や取り扱う場所の位置・構造・設備の技術上の基準が定められています。

貯蔵・取扱い数量 400L以上 400L未満
適用法令 消防法 火災予防条例
手続き ・常時、貯蔵・取扱う場合
 危険物製造所等設置許可申請
・一時的(10日以内)に貯蔵・取扱う場合
 危険物仮貯蔵・仮取扱い承認申請
少量危険物貯蔵取扱届出
※80L未満は不要

アルコール製剤の取り扱いについて注意すべきこと

アルコールの引火点は常温程度で(例:エタノールの引火点は濃度が、100%で13℃、70%で21℃ )、火気により容易に引火して火災等を引き起こすおそれがあり、状況によっては静電気等の小さな火花であっても引火する可能性があります。使用する際には、容器に記載してある注意事項を必ず守りましょう。
また、危険物に該当しない製品であっても、主成分は同じくエタノールです。危険物と同様に十分注意して取扱いましょう。



◆ 火気の近くで使用しない

アルコールは蒸発しやすく、蒸発すると可燃性蒸気となるため、近くに火気があると引火するおそれがあります。アルコールを使用する付近では、喫煙、コンロ等を使用した調理など、火気の使用はやめましょう。
手指消毒は火気から離れた場所でおこない、噴霧直後には火を使わないようにしましょう。火を使う調理などは、十分に手を乾かしてからおこなってください。


◆ 室内の消毒や、詰め替えをおこなう場所では通風・換気をする

可燃性蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすい性質があるため、室内での使用や詰め替え等をおこなう時には、通風や換気をして、可燃性蒸気を滞留させないようにしましょう。また、密閉した室内で多量の噴霧をおこなうことは避けましょう。


◆ 直射日光が当たる場所や高温となる場所に設置・保管しない

直射日光が当たる場所や、高温となる場所に置いておくと、熱せられることで、可燃性蒸気が発生します。
また、容器内で発生した可燃性蒸気により、容器が膨張して破損する可能性があります。設置・保管場所は、直射日光が当たる場所は避けるとともに、高温になる場所も避けましょう。炎天下の車内への放置も危険です。


◆ 容器は落下させたり、衝撃をあたえる等の乱暴な取扱いはしない


◆ 詰め替える場合は、専用容器に詰め替え、漏れ、あふれ、または飛散しないように注意する


◆ 貯蔵や取り扱う場所は、常に整理整頓を心がける