手指に付着したノロウイルスは、とても小さいので、しわや爪と皮膚のあいだに入り込んで、手洗いで除去することが難しくなります。また、感染者の嘔吐物には大量のノロウイルスが含まれていますが、処理しきれなかった嘔吐物が乾燥すると、塵や埃とともに舞い上がって空気中に浮遊します。これらが感染拡大の原因となります。
熱や酸に強く、乾燥した環境でも長く感染性を維持します。温度は低いほど生存性が高くなり、凍結してもほとんど不活化しません。このように物理化学抵抗性が強く、感染性が維持されるので、一度環境が汚染されるとそこに存在するノロウイルスは不活化されにくく、感染拡大の原因となります。
特徴①②のように、非常に小さくて除去しにくく環境中で不活化されにくいうえに、感染は少量で起こるので、特に流行期は感染対策をきちんと行わなければ、感染が拡大すると言えます。
不顕性感染であっても、感染しているため、便や嘔吐物には大量のノロウイルスを排出しています。ただ、本人は症状がなく感染している自覚がないため、手洗い等の対策が不十分であった場合、知らないうちにウイルスが手指に付着し、食品を汚染し食中毒事故を起こしてしまいます。
ウイルスはその構造からエンベロープ(脂質性の膜)のあるウイルスと無いウイルスに分けられます。エンベロープのあるウイルスは、アルコール消毒剤からダメージを受けやすいのに対し、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)は、ダメージを受けにくく、アルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあります。しかし、最近ではノンエンベロープウイルスにも有効な新しい「酸性アルコール消毒剤」が開発されています。