暑い時
最高気温が真夏日と言われる30℃を超えると、体温調節がうまくできなくなります。1年間の真夏日の日数が多くなると、熱中症死亡数も多くなります。
高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が正常に働かなくなることで、体温がうまく調節できず、体内に熱がこもり、体温が異常に上昇することで発症します。熱中症は重症化すると死に至る可能性のある病態ですが、正しい知識を身に付け、予防法や応急処置を行えば発症を防いだり、救済することができます。
熱中症を引き起こす条件は、「環境」「からだ」「行動」によるものが考えられます。
「環境」の要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどがあります。
「からだ」の要因は、高齢者や乳幼児、肥満、二日酔いや寝不足といった体調不良、脱水状態などがあります。
「行動」の要因は、激しい労働や運動によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できないことなどがあります。
人間の身体は、平常時は体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調節が自然と行われます。
しかし、これら3つの要因により、体温の上昇と調整機能のバランスが崩れ、身体に熱が溜まってしまいます。このような状態が熱中症です。
最高気温が真夏日と言われる30℃を超えると、体温調節がうまくできなくなります。1年間の真夏日の日数が多くなると、熱中症死亡数も多くなります。
気温が低くても、湿度が高いと汗がうまく蒸発できず、熱中症を引き起こす可能性が高くなります。
風が弱いと、汗が蒸発しにくくなり体温が下がりにくくなります。
日差しが強いと、直射日光と地面からの照り返しにより熱中症の危険を高めます。大人より地面に近い子どもは、照り返しにより特に高温にさらされた場所にいるので注意が必要です。
下痢や二日酔いなどで脱水症状の人は、熱中症の危険が高くなります。軽い脱水症状になると、のどの乾きを感じにくくなるので、のどが乾いてなくても水分を補給することが大切です。
体温調節機能が低下している高齢者は、体に熱がこもりやすくなります。また、暑さやのどの乾きを感じにくく、暑さ対策が遅れることがあり、熱中症の危険が高くなります。
子ども・幼児は汗腺をはじめとした体温調節機能がまだ十分に発達しておらず、高齢者と同様に熱中症のリスクは成人より高くなります。急激に温度が上昇する炎天下の車内などは、わずかな時間でも子どもだけを車内に残さないようにしましょう。
体内の熱を逃がす効率が悪くなり体内に熱がこもりやすくなるため、熱中症の危険が高くなります。
普段からあまり運動をしていないと、効率的に汗がかけなくなり熱中症になりやすくなります。
疲労や風邪などで体調不良のときは、体温調節機能が低下していますので、注意が必要です。
暑さに慣れていない人や、暑くなりはじめる時期に熱中症になりやすくなります。梅雨明け、気温が上がり蒸し暑い日は要注意です。
暑さ指数(WBGT)とは、気温、湿度、輻射熱(放射熱)、身体作業強度、作業服の熱特性を考慮して、実際の暑さを数値化する指標です。
最近よくニュースで流れる「熱中症警戒アラート」は、気象庁が発表する暑さ指数(WBGT)の値が31以上と予測された場合を元に警戒情報が出されます。
| 暑さ指数 (WBGT) |
注意すべき 生活活動の目安 |
注意事項 |
|---|---|---|
| 危険 31以上 |
すべての生活活動で おこる危険性 |
高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
| 厳重警戒 28~31 |
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 | |
| 警戒 25~28 |
中等度以上の生活活動で おこる危険性 |
運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
| 注意 25未満 |
強い生活活動でおこる危険性 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある |
| 日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)より参照 | ||
環境省では日本全国の暑さ指数(WBGT)を毎日公開しています。 ⇒ 熱中症予防情報サイト
炉や加熱された製品があり高温多湿の場所では汗が蒸発しにくくなり、脱水状態に陥りやすくなります。
また休憩がとりにくかったり活動時間が長くなると身体への負担が大きくなります。
加えて、作業着が通気性・透湿性の悪い衣服だと、汗をかいても体温が下がりにくくなります。
日頃から汗をかいて、体温調節を行う習慣は、熱中症対策に有効です。ウォーキングやストレッチなど、気軽に始めてみませんか。
人間は汗をかいて体温を調節します。汗の原料は血液中の水分や塩分なので、体温調節のために水分や塩分を補給する必要があります。また、のどが渇く前に水分を補給しておくことが大切です。なお、アルコールは尿の量を増やし体内の水分を排泄してしまうので注意しましょう。
涼しい服装ノー上着、ノーネクタイは一般的になりましたが、木綿や麻などの風通しの良い自然素材や、吸汗・速乾性に優れた素材を使った衣類がオススメです。
太陽の下に出るときは、できるだけ日傘や帽子を着用し、直射日光から守りましょう。
エアコンの設定温度は28℃を超えないように適切な温度となるようにしましょう。設定温度が低いと、外気温と室温との差が大きくなり体の負担になります。エアコンの気流はサーキュレーターを組み合わせて対流させ、効率を上げましょう。
太陽の下では体力は少しの時間で消耗します。外を歩くときは、できるだけ日陰を選んで通行しましょう。
2025年6月から、職場における熱中症対策が事業者の義務となりました。
厚生労働省が発表したこの新たな規制には罰則も設けられており、企業は従業員の健康と安全を守るための具体的な対策を講じる必要があります。
■義務化の内容
①熱中症の疑いがある人を早期に発見するための体制整備
②体を冷やす措置などについて、手順の作成
③それらの内容の関係者周知
■対象作業
暑さ指数28以上か気温31℃以上で、連続して1時間以上か一日あたり4時間を超えて行う作業
資料:厚生労働省ホームページより
「職場における熱中症対策の強化について」
「職場における熱中症予防対策マニュアル」